突然ですが、「モブモブ」と聞いたら、どんな感じがするでしょう?
実は――
「モブモブ」
というオノマトペは、日本語にはありません。
少なくとも、一般的に使われている日本語のオノマトペではありません。
でも想像してみてください。
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マシュマロを口いっぱいに頬張ったとしたら?
ふわふわで、柔らかくて、少し弾力のあるマシュマロ。
それを一つではなく、いくつも口の中に入れてみます。
頬がふくらんで、口の中いっぱいに柔らかいものが詰まって、むにむにと押し合っている。
なんだか――
モブモブ……って感じ。
どうでしょう。
そんな日本語は存在しないのに、
「うん。なんとなくわかる」
と思いませんでしたか?
今度は、別の場面での「モブモブ」
では、まったく違う場面を想像してみましょう。
ぎゅうぎゅうの満員電車。
自分のまわりには、柔らかくて、むっちりとした人たち。
前からも、横からも、後ろからも、体をむにむにと押されます。
硬くて痛いというより、柔らかくて、厚みがあって、弾力のあるものに四方から包囲されているような感じ。
モブモブ、モブモブ……。
さっきのマシュマロとは、まったく違う場面です。
でも、どこか共通する感覚がありませんか?
でも「モブモブ」なんて言葉はない
ここで、不思議なことが起きています。
「モブモブ」は、もともと意味を持った日本語ではありません。
それなのに、日本語を使っている人なら、この架空の言葉から何かしらの触感や動き、柔らかさを感じ取ることがあるかもしれません。
では私たちは、いったい何を手がかりにしているのでしょう?
存在しない言葉なのに、なぜ「それ、なんかわかる」になるのでしょう?
後編では、この謎をもう少しだけ掘ってみます。
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