オノマトペというと、どんな場面を思い浮かべますか?
「わんわん」「ふわふわ」「わくわく」。
子どもが使う言葉だったり、友だちとのカジュアルな会話だったり。

そんなイメージを持っている人もいるかもしれません。
でも、日本語のオノマトペはそれだけではありません。
実は、仕事の場でもごく自然に登場します。
そして、そこには単なる「カジュアルな表現」以上の役割があるように思います。
「順調に」と「サクサク」
たとえば、こんな二つの表現を比べてみましょう。
「作業は順調に進んでいます。」
「作業がサクサク進んでいます。」
伝えている事実はよく似ています。
でも、受ける印象は少し違いませんか?
「サクサク」と聞くと、作業が引っかかることなく、軽快なリズムで次々と進んでいく様子まで浮かんできます。

では、こちらはどうでしょう。
「業績は着実に伸びています。」
「業績がぐんぐん伸びています。」
「ぐんぐん」と聞いた瞬間、勢いよく上へ伸びていくグラフまで見えてくるようです。
オノマトペが加わることで、単なる「情報」に、動きや勢い、リズムまで加わります。

聞き手を「感覚の中」に一瞬で引き込む
もしかすると、これがビジネスでオノマトペを使う面白さなのかもしれません。
オノマトペは、難しい情報を簡単な言葉に置き換えるだけのものではありません。
話し手が感じているスピードや勢い、手応えを、聞き手にも一瞬で感じてもらうことができます。
つまり、オノマトペはときに、聞き手を話の中へ引き込むための小さな engagement tool にもなります。

もちろん、どんなビジネス文書や場面でも使えるわけではありません。
でも、会議やプレゼンテーション、チーム内の会話などでうまく使えば、数字や事実だけでは伝わりにくい「感覚」まで共有できる。
オノマトペは、子どもっぽい言葉でも、単なるカジュアルな飾りでもない。
人と人のあいだで、感覚をすばやく共有するためのコミュニケーションの技術でもあるのかもしれません。



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